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114.善きヴァンパイアの苦悩

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「Forgotten Hollowに行ってくるからね」





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「気をつけてね♡」






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すごい反りw








というわけで、ブラッドフルーツを求めForgotten Hollowへとやってきたのですが・・・

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実ってない(T-T)






どうしていいかわからないまま町中を彷徨い歩き、たどり着いたのはグランドマスター・ヴァンパイアである始祖ヴラドさん宅。
二人の関係性をより深くしたいので、今回はちょっと会話形式で長めに書いていきます!(ちなみに私の中の基本設定はこんな感じ

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「珍しいな、カレブ。お前から訪ねてくるとは」

「はい・・・。今日はちょっと・・・相談がありまして」

「ほう。なんだね」

「その・・・、ご存知の通り僕は人間とは仲良く暮らしたいと考えています。現にこの世で一番大切な人は人間である彼女です」

「・・・・・・・・・それで?」

「今年はブラッドフルーツが不作で、僕のような人間を襲いたくないヴァンパイアには厳しい状況です。・・・・なんとか僕に知恵をお貸しください・・・空腹の限界で本能が目覚め、無意識化で大切な人やその家族を襲いたくない・・・たすけてくださいグランドマスター」




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「・・・・・話はわかった。ではまず、吸血の基礎をお前に・・・」

「ちょっと待ってください!!僕は吸血はしたくないんだ」

「ならこのまま大切な家族を襲うかもしれない状態でいいのだな」

「・・・・・・・・・・・いえ、それだけはなんとしても回避したい」

「なら吸血するしかないんだよ、大切じゃない誰かをな」

「そんな・・・」

「大切な者をもつということはな、偽善者でいられなくなるってことなんだよ」

「・・・・・・・・・・」

「それにな、なにも命までとってしまうわけじゃない。ちょっとだけ「拝借」するだけさ」

「でも・・・痛みは・・・」

「それを感じさせず、記憶まで消す方法があるんだよ。相手はむしろ夢うつつ。酒でもあおったような夢心地さ」

「え!!!!?」

「何度も言ったはずだがな。お前というやつは窮地に立たされるまで他人の意見なんて右から左だ。しかしちょっとは変わったようだな。・・・確かお前、父親になったんだろう?」

「はい!申し送れましたが・・・先日初めて父となりました」

「そうか、それはめでたいことだ」

「まさか・・・そんなお言葉をいただけるなんて・・・。名前はローズ。母親は・・・人間です」

「うむ」

「グランドマスターにも家族がありますか?」

「・・・・・・ああ。お前は覚えてはいないか?」

「いえ・・・申し訳ありません」

「かまわん。幼かったからな、まだ。・・・それはそうと、お前は催眠の心得はあるか?」

「いえ・・・」

「お前も立派なヴァンパイアの一人だ。なあに、すぐにできるようになるさ」






こうしてカレブは、ヴラドに催眠の技術を教わったのでした。






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「こう・・・ですか?」




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「ははははは、かゆくもないわ」

「もう一度お願いします」

「何度でも付き合ってやるよ。なにしろヴァンパイアの寿命は無限だからな」

「それじゃ困りますよマスター。僕の大切な人は人間です。ほっといたらほんの数十年で死んでしまう」

「ならヴァンパイアにしてしまえばいいじゃないか」

「それは・・・・。僕の気持ちだけで言えばそれが一番です。しかしヴァンパイアにも苦悩はあります。暖かい日差しを幸せだと感じる事、美しい景色を美しいと感じる心、大好物をほおばる幸せ、そしてたくさんの友人に囲まれ愛する人と共に歳を重ねること。それをすべて一方的に奪うことは出来ない」

「ヴァンパイアにも家族や友人はいる」

「はい・・・しかし。人間である彼女の家族や友達全員をヴァンパイアにすることなんて出来ません。そうすると近い将来、自分を残し皆がいなくなっていく事に耐えねばならないのです」

「カレブ。それは人間も一緒だよ。必ず別れは来るんだ。ヴァンパイアだって命を落とすこともある。それがさだめなのだよ」

「・・・・・・・・・・」

「まぁ後はお前がその人間と話すなりなんなりして決めればいいさ」

「はい・・・・ありがとうございます、マスター」







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催眠により人間を操り夢うつつの中で吸血、さらに記憶まで消す方法をマスターしたカレブでしたが・・・やはりどうしても吸血する事への抵抗が捨てきれずにいました。





「カレブ、私の血をあげる。私、あなたのためなら何にも怖くないよ。死んだってかまわない」

「死ぬなんて簡単に言うなよ。もうお前は母親なんだからな」

「そうだね、ごめん。でもね、あなたが辛いことが自分の事より子供の事より辛いんだ。だめな母親だよね」

「そんなことない」

「痛いのかな?」

「痛くないはず・・・それにもちろん死にもしない。そして記憶まで消せるやり方があるんだ」

「記憶は消さないで」

「わかった・・・いや、ちょっとまってくれ」

「なに?早く、どうぞ」

「ちょっと待ってくれ・・・自信がないんだ。怖いんだよ。もし桃花を失ったら・・・俺・・・」

「大丈夫だよ!私強いし。それにさ、もう早くしないとあなたが死んじゃうんじゃないかって私のほうが怖いんだから」

「・・・・・・少しだけ、あと少しだけ時間をくれる?」

「うん、わかった」





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「リリス、夜中に急に呼び出してごめん」

「何言ってるの、ヴァンパイアは夜中が本番でしょ。すっかり人間みたいなこと言っちゃって、まったく」

「ああ、そうだな。すまない」

「で、なに?」

「お前・・・人間の血を吸ったことがあるか?」

「あるよ。今も吸ってきたばかりだし」

「え???」

「驚く事じゃないじゃない。私はずっと言ってるでしょ、ヴァンパイアの一番のご馳走は人間だって」

「そんな言い方やめろよ、家族がいるんだ」

「あー、はいはいそうでしたね。で、何が言いたいの?説教するために呼んだわけじゃないでしょう?」

「ああ。じつは・・・始祖の屋敷を訪ねたんだ。そこで催眠による吸血の方法も教わった」

「兄さんが!?嵐でもくるんじゃないの?特大のハリケーンと一緒に!!!」

「・・・かもな」

「で、なに?あの小娘をいただこうっての?」

「おいおい、冗談でもやめてくれ。あ・・・でもいや・・・そういう話もあるが・・・」

「面白くなってきたわね」

「それで・・・本題なんだけど。吸血された側って本当に痛くないのかな?それに・・・絶対死んだりしないよな?」

「うん。ちゃんと加減すれば死なないよ。痛みもないんじゃないかな、みんなトロンとした顔するし」

「加減しないと死ぬのか?!!!!??」

「いや、明確な殺意を持って最後まで吸い尽くしてやるってぐらいの気持ちでやんないとそうそうは死なないよ」

「でも死ぬ事もあるのか・・・」

「あのねえ、兄さん。頭を撫でる時に「強く撫でたら死ぬかも!!??」とか考える?吸血もね、頭を撫でるのと頭を鈍器で殴るぐらいの力の段階があってね。少なくともヴァンパイアが食事目当てで人間の命を奪う事なんてまずないわ」

「そうなのか・・・」

「兄さんは頭が固いのよ。確かに私たちは人間を襲うことで生き抜いてきた。だけどね、だからといって命を奪ったりする輩はほんの一握りよ。人間がヴァンパイアを狩った数のほうが何倍も何百倍も多いわ。兄さんはもう少し歴史の勉強が必要だわね」

「・・・・そうかもしれないな」

「いろんなことを乗り越えて今があるの。憎み合ってばかりいるわけじゃない、共存できるようにお互い少しずつすり合わせて来たの。人間は私たちのファッションや文化を面白がって真似ることで親近感や憧れを感じたりしてる。だから今はヴァンパイアを見た瞬間に火のついた棒を持って追いかけてくることはなくなった」

「あれはこわかったな」

「ね」

「ああ」

「だからさ、私たちヴァンパイアも催眠とか色々研究してきたわけじゃない。うちらは完全に習っただけだけどさ。人間を食い物にしたくない精神は立派だとは思うけど、あたしだって兄さんが苦しんでるとこ見たくないよ」

「ありがとう」

「べつに苦しむのが趣味って言うなら止めないけどさ。もし吸血が不安っていうだけなら私が手本見せようか?毎日やってる事だからね、それは華麗なもんよ」

「ははは。ありがとう。でもいいんだ。お前の言葉を聞いて安心したから」

「あっそ!華麗な技を見せられなくて残念だわ」








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こうしてカレブはこの日、生まれて初めての吸血をしました。
記憶を消されなかった桃花は「もう一回!」と催促したそうです。


めでたしめでたし。






次回はローズの誕生日ですヽ(≧▽≦)ノ






<次回>へ続きます

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